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【JJCLIP】認知症では抗精神病薬は早めに止めた方が良い?

第19回薬剤師のジャーナルクラブ「JJCLIP」インターネット配信、
今年度11回目の抄読会開催のお知らせをいたします。

2月は都合により配信ができませんでしたので
3月は2回配信を行って、今年度最後の抄読会にいたします。
これまでの集大成(?)として
システマティックレビューを読んでみます。

 
今回の抄読会の概要、シナリオと論文は以下の通りです。

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日時:2015年3月29日(日)
21:00頃から90分の配信予定
(20:45頃よりテスト配信を兼ねた雑談の予定)

配信:http://twitcasting.tv/89089314
※インターネット環境があればどなたでも視聴可能です(電波良ければスマホでもOK!)。
※ツイッターのアカウントがあればリアルタイムにコメントのやりとりができます!
※録音をこちらに保存しておきますので、聞き逃しても後から聞くことが可能です。

今回の抄読会でも仮想シナリオを元にして進めます。
今回のシナリオと文献は以下の通りです。
(設定と引用元は@pharmasahiro先生のブログ。毎度いいシナリオ作っていただいてます!感謝♪)

[仮想症例シナリオ]
あなたは, とある薬局に勤める薬剤師です.
こちらの薬局は, 5年前より本格的に在宅療養支援を始め, あなたも昨年よりあるグループホームへ訪問するようになっていました.

ある日, いつものように施設に向かうと, 常勤のヘルパーさんからの次のような質問を受けました.

「Aさんのことなんですけど, 僕らが見た所, かなり症状が落ち着いていると思うので, 薬を減らせるようDr.と相談などできないでしょうか?薬を飲ませるのがちょっと大変で…」

患者情報:
68歳Aさん(女性)
昨年近医よりレビー小体型認知症と診断されドネペジル内服開始.
周辺症状の幻覚妄想を呈していたため, 抗精神病薬を併用.

薬剤情報:
ドネペジル5mg
ニトラゼパム5mg
抑肝散エキス顆粒
リスペリドン内用液1mg/ml 1ml

「薬を中止することが果たして良いのだろうか?」
薬局に戻って調べてみると, あなたは次の論文を見つけることができたので, 早速読んでみることにしました.

[文献タイトル・出典]
Pan YJ, Wu CS, Gau SS, Chan HY, Banerjee S.
"Antipsychotic discontinuation in patients with dementia: a systematic review and meta-analysis of published randomized controlled studies."
Dement Geriatr. Cogn. Disord. 2014; 37: 125-40.
PubMed PMID: 24157687.

フルテキストを入手しておきましょう→こちらをクリック
(追記:フルテキストへのリンクを間違えてました。訂正しお詫び致します)

@syuichiao先生作成のメタ分析を10分で吟味するポイントもご準備を!
////////////////

認知症に対する抗精神病薬の使用には、様々な議論があります。
必須のところだけおさらいしておきましょうか。

まず、
認知症の症状は記銘力低下や失見当識などの「中核症状」と、
それに起因する興奮や不安、不眠、抑うつなど精神的問題ならびに
徘徊や暴力、拒否、不潔行為など行動的問題があり、
これらをまとめて「周辺症状」または
BPSD: Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia
と呼んで区別しています。
中核症状の改善にはドネペジルに代表されるようなコリンエステラーゼ阻害薬
またはメマンチンというNMDA受容体拮抗薬が有効ですが、
それだけで完全に解決できるわけではなく、
残存する周辺症状への対応も必要になってきます。

その際、薬物療法を行うとしたら、
催眠または鎮静を目的に抗精神病薬が使われることがあります。
ベンゾジアゼピンを使うとしばしばせん妄が起きますが
抗精神病薬ではそのような心配をすることなく、
強力な鎮静・静穏化作用でBPSDを改善します。
もちろん抗幻覚妄想作用があるので
今回の症例のようにレビー小体型認知症(DLB)という
幻覚を伴う認知症にはよく使われます。
(ただしDLBでは錐体外路症状が他の認知症より出やすいので
 用量設定は個人差も大きく慎重に行わねばなりません)

※「せん妄」と「幻覚妄想状態」の違いは意識レベルにあると言ったら分かりやすいでしょうか。せん妄は意識が混濁していて疎通不良ですが、ただの幻覚妄想状態であれば本人の意識はクリアなので問いかけに普通に反応できたりします。

抗精神病薬で最も注意すべき副作用としては、
やはりその抗ドパミン作用による錐体外路症状(EPS)でしょう。
もちろん高齢者ではよく出ます。
そのため、通常はEPSが出にくい第2世代抗精神病薬を使います。
ハロペリドールのような第1世代と比べると
治療可能域が広いのが第2世代だと考えたら良いでしょう。
だいたいリスペリドン、クエチアピン、オランザピンあたりがよく使われると思います。
(ワタクシはペロスピロンもお勧めですけどね、上記3剤は耐糖能に注意ですし)

そんな感じで、EPSや過鎮静に気を付けつつ使ったらいいのかなーと思ったら、
ご存知の方も多いでしょう、
認知症に抗精神病薬を使用すると死亡リスクが上がるかもしれません。
このことは10年ぐらい前から臨床のエビデンスにより指摘されつつありますが
最近のシステマティックレビューでもそれが示されてるので
もはや疑わしいを超えて、投与にあたってはまず懸念すべきと思っています。

Ma H, Huang Y, Cong Z, Wang Y, Jiang W, Gao S, Zhu G.
"The efficacy and safety of atypical antipsychotics for the treatment of dementia: a meta-analysis of
randomized placebo-controlled trials."
J. Alzheimers Dis. 2014; 42: 915-37.
PubMed PMID: 25024323.

上記論文によると死亡リスクは1.52倍に有意に上がります。
では認知症に対して抗精神病薬は使ってはいけないのか?
これは非常に悩ましい問題です。
いくら死亡リスクが上がると言っても、
さすがに片っ端からバタバタ死んでいくようなものではありません。
それで例えば抗精神病薬を飲み始めてから
暴れることが無くなった、夜間大人しくできるようになった、
こういったことがあれば家族や介護職の負担が減るだけじゃなくて
施設から追い出されずに済むといったケースも多いでしょう。
そういった理由から、医療者と家族や介護者が十分に話し合った後の
抗精神病薬の選択であればそれは仕方ないことではないでしょうか。
とはいえ、十分な効果が無いのに、あるいは必要性が低くなったのに
漫然と投与することは当然控えなければなりません。
では、一体いつになったら中止したらいいのか?
中止するとどうなるのか?
ここも色々研究されておりまして
その中の一つが今回取り上げる論文であるとご理解下さい。

そして認知症を治療するとはどういうことなのか?
みなさんと一緒に考えてみたいと思っています。


今回は今年度の集大成的な位置づけなので少々難しいかもしれませんが、
あくまでもこのネット上での抄読会は
薬剤師が自ら主体的にEBMを実践したり
実際のワークショップに参加したりというところまでの
「橋渡し」というコンセプトを貫いていきますので
初心者を置き去りにはしないよう心掛けていきます。
コメントにも積極的に答えていこうと思っていますので、
初心者でも恥ずかしがることはありません、
お気軽にご参加下さい!

では、配信をお楽しみに!
ワタクシもツイキャスを介して皆様にお会いできるのを楽しみにしています。

※どなたでも視聴することはできますが、主な対象は臨床の薬剤師ならびに薬学部5年生以上を想定していますので医学薬学分野の専門用語等が解説無しに飛び交うのはご容赦下さい

薬剤師のジャーナルクラブは薬剤師による薬剤師のための情報共有と穏やかな学びを目的としたSNSを利用したコミュニティです。現在は@syuichiao先生と@pharmasahiro先生とワタクシの3名をコアメンバーとしております。
 
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