【JJCLIP】漢方薬で糖尿病の合併症は予防できるの?
新年度7回目の抄読会開催のお知らせをいたします。
毎度毎度初心者を置き去りにしない配信を心がけておりますので、
初めての方も難しく考えずにどうぞ楽しんでいっていただければと思います。
「EBMは、文献などの科学的な根拠に医療者の経験、患者の個別性や環境などを総合的に考慮して行う医療のことを指している。疫学の考え方を取り入れて医療を評価することが、以前にはない新たな視点だ。EBMはいわば、医療者の1人として身に付けておくべき必須の考え方や技術ともいえる。海外の英語文献を検索し、要旨を把握するテクニックに注目が集まりがちだが、それはEBMの一要素に過ぎない。
うまく活用すればEBMは、薬剤師の業務を根底から下支えするツールになり得るし、日常業務の質も大幅に高められる。医師の信頼を獲得したり、患者との距離も縮まったりするだろう。最終的には、その患者にとって最適で満足度の高い医療の提供につながる。」
薬事日報2016年10月21日社説「EBMを身近なツールに」より引用
そうなんです。EBMはテクニックやスキルに注目が集まりがちで、
いかに批判的に論文を読むかがフォーカスされやすいんですけど、
本質的な部分は疫学的な考え方を取り入れて医療、
薬剤師の立場からいえば、
では、以下に今回の配信日時の案内と臨床シナリオを転載しますので、
よ〜く読んで、自分がその薬剤師になったつもりで、
場面をできるだけリアルにイメージしてみてください。
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日時:2016年10月23日(日)
21:00頃から90分の配信予定
(20:45頃より数分間テスト配信を兼ねた雑談の予定)
配信:http://twitcasting.tv/89089314
※インターネット環境があればどなたでも視聴可能です(電波良ければスマホでもOK!)。
※ツイッターかフェイスブックのアカウントがあればリアルタイムにコメントのやりとりができます!
※録音をこちらに保存しておきますので、聞き逃しても後から聞くことが可能です。
今回の抄読会でも仮想シナリオを元にして進めます。
今回のシナリオと文献は以下の通りです。
(シナリオ作成は@pharmasahiro先生。ブログより転載します)
【仮想症例シナリオ】
あなたは,とある街の薬局の薬剤師さんです.
季節は食欲の秋,患者さんの栄養指導にも熱が入る今日このごろ.
薬局内にも食事と運動・病気に関するパンフレットをいつもより多めに揃えています.
そんなある日の昼休み休憩中に,近隣のファミリークリニックの院長先生から,電話で次のような質問を受けました.
「今日とある漢方メーカーのMRさんが来たんだけれど,”糖尿病の合併症予防に牛車腎気丸”がいいって言われてね. 僕,その漢方薬は処方したことないんだけれど,本当に予防効果があるのかな?どうも漢方って勉強するのが難しいって思ってるから,教えて欲しいんだよね」
牛車腎気丸が糖尿病の合併症予防に有用であるかどうかを,いつも通りPubMedで論文検索を行ったあなた. すると,当該薬剤に関する報告を一つ見つけることができました.
「10分で折り返しご連絡します」
と院長先生に伝えたのち,早速その場で読んでみることにしました.
【論文タイトルと出典】
Long-term effects of goshajinkigan in prevention of diabetic complications: a randomized open-labeled clinical trial.
Watanabe K, et al.
Evid Based Complement Alternat Med. 2014;2014:128726.
PMID:24812564
フルテキストをPDFで入手しておきましょう→こちらをクリック
@syuichiao先生作成のランダム化比較試験を10分で吟味するポイントもご準備を!
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今回は、漢方薬(牛車腎気丸)のランダム化比較試験です。
漢方薬のランダム化比較試験は、以前に葛根湯の論文を読みましたね。
漢方薬は長い間現場で検証されながら使われてきて、
今に伝えられている(生き残っている)ことがエビデンスだ、
とする考え方もありますが、実際のところ、いわゆる「中医学」に則って
漢方薬を使うケースというのは現代では少数派でしょうから、
現代的な目線で漢方薬が有効なのかどうか、統計学を使って評価してみることも大事でしょう。
ただし漢方薬には「証」という独特の診立てに従って使うのが原則ですから、
漢方薬を使ったランダム化比較試験もこの「証」を評価しているか?
これが論文を読む上では、上記のチェックポイント以外に重要になってくるんじゃないかなと思っています。
ちなみに、牛車腎気丸の証は「虚証(虚弱)、腎虚(泌尿生殖器・下半身の衰え)、寒証(冷え)、湿証(水分停滞)、臍下不仁(下腹部脱力)」とされています。
おくすり110番より
配信中、分からないことはどんどんご質問下さい。
コメントにも積極的に答えていこうと思っていますので、
恥ずかしがることはありません、お気軽にご参加下さい!
コメント投稿によって視聴者同士のやり取りもできますから、
そちらも積極的に楽しんでいただければと思います。
では、配信をお楽しみに!
ワタクシもツイキャスを介して皆様にお会いできるのを楽しみにしています。
※どなたでも視聴することはできますが、主な対象は臨床の薬剤師ならびに薬学部5年生以上を想定していますので、医学薬学分野の専門用語等が解説無しに飛び交うのはご容赦下さい
※薬剤師のジャーナルクラブは薬剤師による薬剤師のための情報共有と穏やかな学びを目的としたSNSを利用したコミュニティです。EBMでエビデンスと人と、人と人とを繋ぐのが私たちの理念です。ぜひこの機会に、一緒に学んでみませんか? 現在は@syuichiao先生と@pharmasahiro先生とワタクシ@89089314の3名をコアメンバーとした任意団体ですが、今年度中のNPO法人設立を目指して準備中です。つきましては、皆様のお力を必要としています。ご支援くださいます場合は私たちのいずれかにご連絡いただけますと助かります。
- 2016.10.22 Saturday
- 薬剤師のジャーナルクラブ
- 20:32
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- by hidex